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    落語

    ここでは、「落語」 に関する記事を紹介しています。

    おそらくこれを読んで得するのは片手で数えるぐらいしか存在しないと思いますが、
    熊の皮を文章化したものを記事にしております。

    私の十八番ネタなので、まぁあれだ。備忘録代わりにね・・・。


    違うの。ブログを更新するネタがないとかそういうのじゃないの!

    なんとなく落語の記事そういや書いてなかったなぁと思ったから書いたの! 手抜きじゃないの!!


    あと出来心とあくび指南と動物園も手元に文章化したものあるけど、これはおいおい更新するネタがなくなtt・・・

    き、気分が向いたときにブログに書きますね!!


    『熊の皮』 

    甚平:おっかあ、いまけえったぞ。おっかよ、いまけえってきた。 


    女房:あらぁ! どうして帰ってくるのお前は。

        いいよ帰って来たってここお前の家なんだから。

        いいけどまだ昼回ったばっかりじゃないか。

        こんな時間に帰って来るんじゃない。仕事しろ仕事。


    甚平:鼻で喋んな馬鹿。

        俺がけえって来たのには訳があんだよ。

        見てくれよ車の中。何にも残ってねえんだよ。

        今日は良い日なんだよ。表出た途端だよ。

        方々から声が掛かってみんな売り切れちゃったんだよ。だからこうやって帰って来たんだよ。


    女房:そういうこと早く言いなさい本当にもう。

        本当に売り切れたの? 

        どっかに捨ててきたんじゃないでしょうね。売り切れたの? 

        あらそう。そんな良い日もあるのね。

        あらぁそうなの。ふっふっふっふっふっふっふっ。

        ご苦労様。

        ぼんやりしてんじゃないよ。折角早く家に帰って来たんだから家の仕事しなさい。

        水汲んどいで。


    甚平:水? 水ぐれえなんだろ、俺が仕事行ってる間に女房のおめえが汲んで来たらいいだろ?


    女房:何言ってんだよぉ。

        あたし今起きたばっかしなんだよ。

        お前そこ立ってんだろ。あたし座ってるんだから。

        お前の方が井戸端に近いんだよ。井戸端に近い人が水汲んでくるんだ。

        いいから行くのなーんか言わなくていい。

        ダメだ! 桶片っぽだけ持つんじゃない。両方の手に持ちなさい。

        その方が持ちいいでしょ? いっぺんで済むでしょ? 

        そういう要領覚えなくちゃいけない。ダメなんだからね本当に。

        行ってきたの? 行ってきたの? 

        ご苦労様でした。

        じゃあそこの水瓶の中に溢さないように。溢さないように綺麗にそうそうそう。

        ご苦労様。

        お釜の中にお米計ってあるでしょ。研ぎなさい。


    甚平:研ぎさないって、俺が水汲んで来たんだから米はおまえが研いだらいいだろ?


    女房:あら知らなかったの? 

        水汲んできた人がお米研ぐの。

        そしたらお米が喜ぶんだから。

        いいからやるんだよ。やんなきゃ覚えないか。

        がたがた言うんじゃないの。

        口動かさないで手を動かしなさい手を。

        本当にまぁ、そうそうそうやればできるじゃない。

        なかなかいい手つき。

        それで水の計り方も教えたでしょ? 

        そうそうそう。

        それでもって竃にかけて。竃にかけたら火はいじんなくていいの 火は!! 

        どうしてそうやっておせえてないことやろうとするのお前は! 

        そんな気が回るんだったら隣ご覧。

        タライ中洗濯物が山になってるんだからさ。洗え。


    甚平:いい加減にしろこの野郎。洗濯は女房の仕事。


    女房:うるさいっての。

        あたしはのべつやってんだからさ。

        たまには帰ってきたからやるんだ本当にもう。

        今手に取ったのあたしの腰巻なんだからちゃんと洗うんだよ。えぇ? 

        そうそうそうそう。きちんと濯いでね、かたーく絞って。

        まだお日様出てるんだから日のよく当たるところに持ってって干してくんのよ! 

        干してきたの?


    甚平:干してきた!


    女房:どこに干してきたの?


    甚平:お日様が一杯当たるところがいいってから、お稲荷さんの鳥居に干してきた。


    女房:どうしてそういうとこ持ってっちゃうの。あたしの腰巻だよ? 

        いいわよ後で取り込んでくるから。

        だめだまだ上がってきちゃ。

        もう一仕事あるんだから。

        今から横丁の先生のとこ行っといで。


    甚平:なにを?


    女房:先生のとこ行っといでってえの。

        なにかじゃないよ。

        先生のとこから頂き物したのよ。お赤飯頂いたのよ。

        先生お屋敷にお出入りしてるでしょ? 

        お屋敷でもっておめでたいことがあって色んなもの頂戴してね、

        お裾分けだってねお赤飯くださったの。

        いや一杯ってことはないわよ。

        お長屋中に配ってんだから。うちはひとかだけ。

        ねっ、だけどさ、これお礼言ってきてちょうだいよ。


    甚平:こんなもんだろ? 

        こんなもんだったらいいよわざわざ行かなくたって。

        今度会ったときに先生ご馳走様でした。それでいいじゃねえか。


    女房:マトモな人はそれでいいんだよ。

        お前さんマトモでない人だからきちんとした挨拶っての教えてあげるから覚えるのよ。

        良い? お前さんみたいな人はね、先生のとこ行ったらね、

        表から入るんじゃないの。裏回りなさい。裏へ。

        裏に回ったら書生さんって若いは人がいるでしょ? 

        ねっ、あのね若い人にね、いつものように先生いますかとかそういう言葉遣いしたらダメなの

        丁寧な言葉遣い覚えなさい。

        先生はご在宅でいらっしゃいますか? って聞くの。

        もっぺんやるわよ。先生はご在宅でいらっしゃいますか。

        もうこの辺でお前さんの頭一杯一杯だと思うけどね、この先があるから覚えるのよ。

        いい? 先生の前に出たらね、こういう形になるの。前に手を付くの。

        ねっ、はなはね、承りますればって言うの。

        もっぺんやるわよ。承りますればってやるの。

        意味なんかどうでもいいの! 音で覚えなさい音で。

        お屋敷からお到来物だそうでおめでとうございます。

        御門多い中手前どもまでお赤飯をありがとう存じますってきちーんとこうやって頭を下げて、

        一番お終いに、女房が宜しく申しておりました。

        ここが肝心。ここ忘れたらただおかないわよ。

        覚えたら行ってらっしゃい。忘れないうち行ってらっしゃい! 

        ちゃんとやんのよ! 後で出来たかどうか聞くからね!


    甚平:うるせーこの野郎。

        冗談じゃねえな本当に。

        だいたいなんだよ亭主の俺が我が家でああも緊張しなくちゃいけないんだ。

        我が家じゃねえかな。本当に冗談じゃねえやな。

        あんなかかあじゃなかったんだはなは。えぇ? 

        所帯持った当座はあなたやなんか言ってくれたんだ。

        いつの頃からか変わっちゃったね。

        あるとき俺の事をおいって呼んだよ。

        そんときうっかりはいって返事しちゃったあれからおかしくなっちゃった。

        みんな言うんだ甚平さんは女房の尻に敷かれてる女房の尻に敷かれてるって。

        俺、はな褒められてるのかと思った。そうじゃなかったバカにされてたんだ。

        冗談じゃねえや本当にな。

        こんにちは。


    書生:これはこれはお長屋の甚平さんじゃありませんか。なんか御用ですか?


    甚平:えぇー、先生は御臨終ですか?


    書生:暫くおまちください。先生お喜びになると思います。暫くお待ちください。

       先生、お長屋の甚平がおみえになりました。


    先生:来た? ほんと? ふははははははっ。あの人好きなんだよ私は。

       あぁ? え? なに? 今日はハナから飛ばしてる? そうかぁ、いいなぁ。すぐに上げなさい。


    先生:あぁ甚平さんよく来た。よく、うわぁ、良い顔してるねぇ。

        目が血走っちゃってる。期待できるな。大丈夫かい?


    甚平:あい。(舌を鳴らす)ちょっとあのさっき、わけえひとに言うこと間違えちゃったんでもっかいはなからやって構いませんか。


    先生:あっ、何か言いに来たの? なあに?


    甚平:へい、先生はご、ご在宅ですか。


    先生:はい。君の眼の前にね。あんまりそういうこと当人に聞かないもんだろ。

        いいなぁお前じゃないと出来ない芸当だなぁ。今日は期待できるな。大丈夫かい?


    甚平:あい。うっうん、えぇ、うけまたがすれますれば。


    先生:いきなりなに言ってるか分からないなね。股擦れちゃったの? 大丈夫?


    甚平:あい。ここは、かかあが言うには意味はどうでもいいって。

        音で覚えろ。そう言うもんですから、先に行かせて頂きやす。

        お屋敷がお弔いだそうでおめでとうございます。

        御門多い中手前どもにまでお赤灯をありがとうございます。

        以上です。


    先生:ふっははははっ。

        ご苦労様。

        はっはっはっはっ。

        何しに来たんだろうね。

        弱っちゃったな本当にな。喋ってるのは日本語かなぐらいは分かるんだけどね。

        弱っちゃったな。おまえそんなところでひっくり返って笑ってんじゃないよ。

        甚兵衛さんわざわざこうして来てくださってるんだ。

        こっちからなんかキッカケ出してあげないと。

        は? なになに?うん、赤飯? うん、あったあった。おうおう。

        あのお長屋お配りした。うん、それでわざわざ来てくれたの? 

        えっ、あっ、分かった。

        あっ、はなの受け股が擦れますればっての、あれもしかしたら承りますますればってのか。

        お屋敷からお到来物だそうでおめでとうございます。

        御門多い中手前どもにまでお赤飯をありがとう存じますって、

        もしかしてこういう風に言いた。そーだったのかー! 

        一時はどうなることかと。

        そうか、そうか。ありがとありがと。

        うん、でもなんだよ甚兵衛さん。わざわざ来てお礼言わなくても良かったんだよ赤飯ぐらいのことで

        どっかで会ったついでで良かったんだよ。


    甚平:そうでしょ。やっぱりそうでしょ? 

        あっしもそれカカァに言ったんですよ。

        だいたいこれっぱかりの赤飯でもってわざわざ行くことはねえって! 

        カカァが行け行けって言うもんですから嫌々来たんですからね。


    先生:自分で何言ってるか分かんないだろ。

        いいなぁ。お前はね、考えてるから。

        お前はありのままだから。馬鹿にしているわけじゃないんだ。馬鹿にしているわけじゃないんだ。

        そういうのがあたしはそういうのが好きなんだよ。そのまんまが良いんだ。

        おまえさんの前だけどね、お長屋中色んな方がいらっしゃるけどね、

        お前さんの事がなんだね、一番大好きなんだよ。


    甚平:そうっすか。あっしはあんま先生好きじゃねえですけど。


    先生:そういうのが好きなんだよ。たまらないな、どうもな。はっはっはっ、どうもありがとうね。


    甚平:どういたしまして。あの、お屋敷で何かあったんですか。


    先生:話をしてなかったか。お嬢様がいらっしゃったんだ。

        そのお嬢様が患って、あたしがお出入りして頂いてるからお薬を差し上げて、

        この度はご病気が治ったんだ。まぁ、こういうわけだよ。


    甚平:あぁあぁあぁ、あっ、先生が薬あげたから病気が治ってそれがめでてえと。

        うぉっ、はっはっはっ。珍しくこともあるもんですね。


    先生:言葉が胸を突き抜けるね! どうもありがとう。


    甚平:怒ってます? なんか色んな物貰ったんでしょ?


    先生:頂いたなぁ。そうだお前さんが当てている珍しい物、そら熊の皮ですよ。


    甚平:えっえっ? なんすか?


    先生:そら熊の皮。


    甚平:あっ、これ? これが? そうなんすか。へぇー。これ、何で出来てるんですか?


    先生:ドキッとするような質問だね。

        なにで出来てるって、そりゃなんでしょ。熊の皮で答えとしてはいっぱいいっぱいなんだけど。

        そのまま覚えてちょうだい。それ熊の皮。


    甚平:そうなんすか。あぁあぁ、山にいる熊。

        こんなんなっちゃったんですか。

        なんか悪いことしたんすか? 

        あぁ、気の毒に。

        えぇ? こんなとこ置いて何してるんです?


    先生:置いてあるんじゃない敷いてあるんだよ。


    甚平:敷いてあるってますと?


    先生:敷物でしょ。


    甚平:敷物ってますと?


    先生:敷物ってますとって突き当たりまで聞かれても困る。

        しっかり聞いとくれ。そら、なんだ尻に敷くもんだよ!


    甚平:尻に・・・(手を叩く)先生、ありがとうございます。

        肝心なこと忘れてました。聞いてください。

        女房が宜しく言ってました。



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    どうも、だらしのない生活をすることにかけては右に出るものは居ない私です。こんにちは。

    ふと思い出したのですが、私がよく落語の枕で喋っている鉄板ネタをこちらのブログにて書いたことがなかったので、備忘録がてら文章化しようと思います。


    「卒業文集」

    えー、皆さんもね幼い頃の夢なんてぇものがあったと思うんですけど、
    こう見えてもね、私にも夢があったんですよ。まぁ今は夢も希望もないけどね。
    この間、実家に帰った時に幼稚園の長男ぐらいかな? そんときに書いた夢ってのを見つけたんですよ。
    将来なりたいもの、「たこ焼き」って書いてました。
    たこ焼きですよたこ焼き。たこ焼き屋さんじゃないんですよ。たこ焼きそのものになりたかったみたいなんですよ。可愛いでしょ?
    小学校三年生のときに書いた夢ってのもありました。
    やっぱりね、物心が付いてきたから夢の内容が少し具体的になってんですよ。
    小学校三年生のときの夢、「ドラゴンボールのサイヤ人になりたい」
    流行ってたからね、流行ってたから将来なりたかったんでしょうね。でもだいたいあいつら無職なんだけどね。
    小学校六年生の時に書いた夢なんてぇのもありました。
    十年後自分はどうなってるかってのを卒業文集で書いたんですね。
    今日はね、特別にこの卒業文集を読んでみたいと思います。

    (扇子を拡げる)

    卒業文集!! 六年一組 ○○○○!! あっ、本名○○〇〇って言います。宜しくお願いします。

    「十年後のぼくは、コックをめざしフランスに旅だっています。
     そして、みんなにおいしい料理を食べてもらいたいです。
     フランス語を勉強して、フランスに自分の店を開きたいです。
     日本の料理やフランスの料理をメニューにとり入れて、おいしい料理をみんなに食べてもらいたいです。
     朝五時半に起きて料理のしょくざいを市場などで手に入れて、朝十時に開店です。
     ぼくの目標は、一日、一億人が来ることです。
     昼は、三時におわります。夜は、七時にはじめて12時におわって一日が終わります。
     一日であつまったお金は、目標、四億円です。
     アルバイトの人数は、三十二人でもちろんぼくはここのシェフです。
     料理の平きんねだんは、二千円で、自分の店は五十つぼで、テーブルの数は三十個で、イスの数は百二十個です。
     いつもまんせきで、行列のできる店にしたいです。
     そんな店をもちたいです。」 


    えー、色々とツッコミ処があったと思うので、一つ一つツッコんでいこうと思います。
    まずね、一番にツッコまなきゃいけないのはここだよね。
    「ぼくの目標は、一日、一億人が来ることです」
    凄い発言だよねこれ。あのね、ディズニーランドの年間来場者数が三千万人なの。その3倍の数がね、一日で店に来るんだよ。このときね、あたしフランスに店を出したいつってるけどね、フランスの総人口、6700万ぐらいしないないんだよ。もうフランスだけでは賄えない。スケールがでかいねぇ。
    これも問題発言なんだけど、問題はね、この後だよこの後。
    「一日であつまったお金は、目標、四億円です。」
    ねっ、一日にね、一日に一億人が来るの。で、集まったお金が四億円。
    単純計算で一人頭四円だよ。四円。一日で潰れるよこれ。
    この後もこれだよ。
    「アルバイトの人数は三十二人で」
    三十二人じゃ足りねぇよ!!
    「もちろんぼくはここのシェフです」
    ってあたりめぇだよお前。お前の店なんだから。そんでなんで非正規雇用の人数を紹介した。正規雇用はいねえのか!?
    「料理の平きんねだんは、二千円で、自分の店は五十つぼで、テーブルの数は三十個で、イスの数は百二十個です。」
    もうね平均値段とか五十坪とかはもうどうでもいいんだよ。この後だよ。テーブルの数は三十個でイスの数が百二十。一つのテーブルに付きイスが4つずつ。
    ここの計算はできてんだよ!!ここはできてんだよ!!肝心の計算が何一つできてねぇんだよ!!!
    「いつもまんせきで、行列のできる店にしたいです。」
    そらいつも満席だよ。一億人来るのに五十坪しかねぇんだもん。どやったって捌ききれねえよ。

    これをね、あたしが小学校六年生の時に書いてんですよ。
    ねっ、なにより凄いのがね、そんとき碌に包丁も握ったことがなかったんだよね。
    まぁ、こんな適当なこと書いてるから、今こんな商売してんのかもしれませんが・・・






    というわけで、いかがだったでしょうか。
    この枕を喋って滑ったことは今のとこ一度もないですね。
    むしろ本編の落語よりもウケルことがあるから困ったりもする。
    これ卒業文集をそのまま文章化してるから、ひらがなの多さで私のアホさ加減がさらに際立っていますね。

    以上、鉄板の枕ネタその1でした。
    その2以降は気が向いたときに投稿します。
    志ん朝師匠の真田小僧(前半)を文章化したものです。
    自分で演じるときはこれから色々と変えていきます。

    おとっつあん。おとっつあん。
    なんだよ。
    へっ、あのー、肩叩いてやろうか?
    いいよ。
    だって、あのー、お疲れでしょ?
    いいんだ。疲れてないんだ。なっ、肩凝ってねえからいいんだ。
    んん、んなこと言わないで。じゃあ腰さすってやろうか?
    いいよ。
    お茶入れようか?
    うるせえなてめえは。えぇ? おとっつあん、たまの休みだ。なぁ、のんびりしてんだよ。この辺でうろちょろうろちょろするんじゃねえよ。うるせえから。表行って遊んできな。
    んなー折角さあたいがさ親孝行しようと思っているとさ、そうやって避けるんだからねぇ。んんーこっちが歩み寄っててんのに。ねえおとっつあん。親孝行させて
    いいよ。普段からやるならやれ。なっ、普段こっちの言うことを何も聞かねえでもって、え? なんか急にそういうこと始めるんだ。なっ、必ず下心あるにちげえねえや。わかってるよ。早く表遊びに行きな。
    いいよ、遊びに行くよ。遊びに行くからさ、おくれよ。
    えっ?
    おくれよ。
    なにを?
    なにをって、んなー分かってるくせに。へへっ、子供が親にくれってそう言ってんだから。まさか首じゃぁねえよ。
    あたりまえだよ。恐ろしいこと言いやがるこんちくしょうは。えっ、首取られてたまるか。なんだい、言ってみなよ。
    へへっ、おあしおくれ。
    なにを?
    おあしおくれよ。
    男の子らしくはっきり言いな。なんだ?
    分かってるくせにああやって本当に。おあしおくれえぇえよ。
    節つけやがってこんちくしょうは。おあしはさっきおめえにやったろ?
    もう使っちゃったんだよ。
    使っちゃったんじゃだめだよ。なっ、もうやらねえ。
    そんなこと言わずにいいじゃねえか、ねえ、表行くからさぁ。一文無しなんだもんあたい。表出たって心細いんだよ。
    生意気なこと言うんじゃねえよ。えっ、大人じゃあるめえしおめえ子供なんてえのはな、もともと一文無しなもんなんだよ。なっ、おめえ銭なくたって表行って遊べるだろ幾らでも。えっ、何言ってやんなえ。
    そりゃ遊べないことはないけどさ、ここであたいが表へつーっと行くだろ? みんな菓子屋の前にたかってんだよ? あたいもそこ行くじゃねえか。そうするとみんながお菓子買って食べてんの。それこっちは食べたいなと思ってもおあしないから買えないだろ? 人が食べてんのうまそうだなぁなんてんでね、見てるのはとても辛いもんだよおとっつあん。我が子にそんなひもじい思いさせてよく親として平気でいられるね。
    なに言いやんだこんちくしょう。おめえにはちゃんと銭やってるじゃねえかよおとっつあん。毎日毎日きちんきちんと小遣いやってるんだ。生意気なこと言うんじゃねえやい。
    だってそれ使っちゃったんだ。
    使っちゃったのはお前が悪いんだから。もう今日はやらねえよ。
    あっそう? じゃあ明日の分おくれよ。
    小遣いの前借しやがる。明日になったらどうすんだこまんだろてめえは。
    明日になったら明後日の分貰っちゃうんだ。明後日になったら明々後日の分貰う。明々後日になったらヤノ明後日の分貰う。順に順に先貰ってっちゃう。そのうちにおとっつあんぼんやりしてるからわかんなくなっちゃう。
    こういう野郎だ。親を馬鹿にしてやがる。えぇ? だめだよ。やらねえ。だめだ。
    あっ、そう? どうしてもくれないの? いいよ。いいよ! 貰わないよ。本当に。おとっつあんに貰わなきゃいいんだい。おっかさんに貰うからいいよ。
    馬鹿野郎何を言ってやんだい。おっかぁはくれやしないよ。なぁ、おっかあが持ってる金ってえのはな、おとっつあんが表行って稼いできて、えぇ? 預かってるよっていう預けてあるおあしだ。えぇ? おとっつあんがあいつにやっちゃいけねえぞって言やな、おっかさんくれやしないんだい。
    にっへっへっ、そんなこと言ってやがる。だから甘いんだよへっへっ。くれるんだよおっかぁ。ねっ、おっかさん帰ってくるだろ? そうするとあたいが行ってね、おっかさんおあしおくれよぉ! って言うとね、
    ダメですよ。おとっつあんがやっちゃいけないって言ったから、やりませんよ。
    って言うだろ? そうするとあたいが。じゃあいいよ。この間おとっつあんの留守に他所のオジサン訪ねてきたことそう言っちゃうからって言うと、
    ちょいとお待ちよちょいとお待ちよ。分かった今やるよって必ずくれるんだよ。2、3度使っちゃったんだその手で。親ゆすんの嫌だけどな。背に腹は代えられねえ。
    ちょっと待て。ちょっと待ちない。
    いやぁ、いいよ。あたい遊びに行くから!
    いぃ、いぃからこっちに来い。こっちに来いってんだよ。えぇ? そこに座れ。おとっつあんの留守にだれかおっかさんのとこに訪ねてきたのか?
    んなぁ、なぁ、なんでもないなんでもないよ。気にしちゃいけないんだおとっつあん。聞かなかったことにしておくれよぉ。あぁ、まずいこと言っちゃったなぁ。
    なんだ? えぇ? だからおとっつあん聞いてんじゃねえか。なんか誰か訪ねて来たのか? えぇ? おとっつあんの御用のある人だといけねえから聞いてんだ。
    おとっ、おとっつあんには御用はない。おとっつあんには用はない。弱っちゃったなぁ。まずいこと言っちゃったなぁ。はぁー。やっぱ表に遊びに
    おい、待ちなてんだよ。えぇ? 誰か訪ねて来たのか? 言ってみな。
    じゃあ言うけどさ。訪ねて来たことは訪ねて来たんだ。
    ほぅ、だれが。
    いや、誰がって。おとっつあん、この噺聞きたいかい?
    そりゃまぁ聞きたいよ。
    じゃぁ、おあしおくれよ。
    おあしはダメだよ。
    じゃぁ、あたいだって噺しないよ? ねっ、うん、これを噺すのは子供としてとっても辛いんだから。辛いことを喋るんだから。おあしくれなきゃダメだよ。
    何を言ってやんだい。じゃあいいよ。
    なら良かったやい。そりゃその方がいいんだ。ねっ、平和な家庭に波風立てるのは嫌だから。
    妙なこと言ってやる本当に。えぇ? わかったよ。今やるからちょっと待て。んん? ったく本当に。おう。やるから。話しをしてみな。
    へい。あっはっはっ、あー、なにこれおとっつあん。1銭じゃねえかこれ。1銭、1銭じゃダメなんだよこの噺。1銭はこれお引き取り願って。1銭じゃダメだ。
    子供なんだ1銭持ってりゃ沢山だ。
    そりゃこれは1銭じゃとてもじゃねえけど、こりゃ聞かせられねんだよ。これ値打ちのある噺なんだから。うん、5銭おくれよ。
    5、5銭? 冗談言っちゃいけねえや本当に。だれがやるかい5銭なんざ。
    あっそう? じゃあいいよ。話さないよ。
    じゃあ分かった。5銭やるよ。噺をしちゃってご覧。そうしたら5銭すっとおめえにやるから。まず噺をしろい。
    それダメそれダメ。それダメなんだよおとっつあん。その手は食わないんだよ。ねっ、噺をしちゃうだろ? そうすると、おあしをおくれって言うとダメだ。こう言われちゃったら今のお話し返してくれってわけにはいかないんだから。ねっ、寄席だって何だってそうでしょ? ねっ、言ったことあるでしょ? あれおあし聞く前に払うの? お話し聞いちゃってから払うの? 
    ありゃ木戸銭ってえから噺聞く前に先に木戸の前で払うんだ。
    そうでしょ? ねぇ。そういうもんだよ。聞いちゃってからおあしよこせっつったって。誰があんなもんにおあし払うか。ねっ、だから先に取っちゃうんだああいうものは。それと同じで先に払ってくれよ。そしたらちゃんとお話しするから。
    妙なこと言ってやがる本当に
    あいよっ。その1銭もやるから。早く噺してみろ。早く噺してみな。
    へへっ、どうもありがとう。あのね、この間さ、横浜にお仕事行ったときあったでしょ?
    横浜? あぁ、あった。
    あんときにね、おとっつあんが出かけると直ぐにね、おっかぁのとこにね、「こんちわー」なんてね、男の声が表にすんだい。それからね、あたいがすっと出て行ったらね、「あの、お母さんはいらっしゃいますか?」なんてんだ。それから、いますよって言ったら、「呼んできてもらえますかな」なんて言うからね、おっかっさんどっかのオジサン来たよって言ったら、「あっそうかい」てんで。すっと出てきてその人の顔見て嬉しそうなんだ。
    ふーん、どんな野郎だ。
    おとっつあん。どんな野郎だってね、あんな奴がいるんだ世の中に。キザたったらありゃしねえんだ白い服なんざ着てんだよ。ねっ、やっぱりね、後ろ暗いところがあるのかね、色のついた眼鏡なんざ付けてね? 本当にまぁ気取りやがってステッキなんざこうやってやんだよ。おっかさんがそれを見てね、大変なんだから。
    まぁー、よく来てくれたじゃないかね。ちょうど良かった家のへちま野郎がいなくてって。
    おとっつあんのことへちま野郎だってさ。おとっつあんへちまには似てないやな。
    あたりめえだよ。
    どちらかっていやカボチャだもんな!
    うるせえなこんちくしょう。いいから続きを聞かせろ続きを。
    でね、それでね、おっかさんね、そのオジサンの手をぎゅっと握ったりなんかして、
    さぁこっち入ってよ。早く。
    なんてんでね、引っ張ってやがんだよ!
    おっかあが? うん、で、どうなったい。
    で、こっから先聞きたい?
    そりゃ聞きてえよ。早く話ししろよ。
    じゃあ、あともう5銭おくれよ。
    さっき払ったじゃねえか。
    さっきのはここまでなんだよ。こっから先はまたおあしがいるんだよ。
    そんなこと言わねえでつーっと。喋っちゃったら。
    そりゃいかねんだよ。ねっ、出しておくれよ。
    そうはいかないよこっちだって。
    あっ、そう? じゃあここでやめとこ。ねっ、うん。ここんとこでやめときゃおとっつあんだってまぁまぁ我慢が出来るんだ。こっから先はなぁ。
    分かったよ。分かった。ほら、やるから。
    じゃ、ありがとありがと。それでね、おっかさんがね、あたいが傍にいたらね、
    何してんだよお前は。えぇ? こんなとこにいるんじゃないよ。早く遊び行っといでってこう言うからね。
    嫌だい! って言ったら、
    そんなこと言わないで行っておくれ。後生だから行きなっつうんでね、普段1銭くれるのに大変な騒ぎしてんのにね、そんときに限って5銭くれたんだよ。えぇ? それからあたいね、それ持って嬉しかったんでバーッと表へ遊び行っちゃった。
    馬鹿野郎、馬鹿野郎! なんだいそりゃえぇ? おまえね、そういうときは何故おっかさんの傍にピタッと付いてねんだ馬鹿。
    へっへっへっへへ。大丈夫だよ。心配してんだよ。あたいはおとっつあんの味方だよ。ねっ、えぇ? つーっと表へ遊び行ったんだけどさ、もう気になって気になってしょうがないからね、それからそーっと家に戻ってきたんだおとっつあん。
    うん、えれえな。どうしたい。
    でね、出かけたときにね、開いてた障子がね、かえって来たらピターッと閉まってんだよ。
    障子が? 障子が? うん
    それからあたいがソーッと傍に寄ってってね、この障子をね、スッとおとっつあん、これ開けたい?
    開けたいよ! ちょっと開けてみな。
    へっ、これ開けるのにまた5銭かかるんだ。
    おい、そんなちぎらねえでよぉ。スッと話したらどうだ。
    いやどうしてもここは要るんだ。こっからがおとっつあん大変なんだから。こりゃあもう5銭じゃ安いぐらいだよ。
    本当にもうしょうがねえなぁ。えぇ? うん、ほらほら、早く話してみな。
    どうもありがとう。でね、でね、あたいがね、ソーッ開けたんだよ障子をさ。ねっ、ソーッ開けてねスッと見たらね、おとっつあんの前だけどね。
    おう。
    あのね、布団が引いてあんだよ。
    布団が? 座布団か?
    寝具。 寝るお布団が引いてあんだよ。ねっ、そしたらね、おっかさんが
    それじゃぁ・・・なんつってね、そのオジサンの手を取ってね、自分から誘い込むようにしてね、お布団のとこにたぁーっと倒れこんだんだよ。
    ふんふん!
    ねっ、そしたらそのオジサンがね、上から覆いかぶさるように行ったんだ。
    うん!
    で、ここで5銭くれる?
    この野郎。(直ぐに渡して)どうした!!
    でね、そのオジサンがね、そ、そこら中ね、やだなぁ。やだ。だけど話すよ? ねっ、おっかさんの身体。触んだよ。えっ? そしたらおっかさんが。そこそこなんて言うんだよ? うんっなんて声出したりして。もう嫌だったなぁ! うん、それでね、スッとそのオジサンの顔見たらね、そのオジサンのことあたい知ってんだよ!
    おめえの知ってる? 誰だ!!
    誰だつったって。おとっつあんも知ってるよ!
    俺も知ってる? 誰だ言ってみろ!
    あの、これ、10銭おくれよ。
    10、おまえ高いよそりゃ。10銭は高いよ。
    高くない。高くないよ。おとっつあん。たかが10銭じゃねえか。10銭だよお出しよ。教えてやるからさ。ねっ、知りたくなかったらいいんだよ。ねっ、誰だか分からない方がごたごたが起きないからその方がいいんだ。ねっ、人情沙汰になるといけないから。
    待ってろ待ってろ。分かった分かった。えっ、よっとほらほら
    ありがとありがと。
    で、誰だ。言え。言ってみろ。
    あのね、横町の按摩さんがおっかさんの肩揉みに来てたの! どうもありがとう!!
    待てぇーこんちくしょう! 本当に悪い野郎だなあんちくしょうは。ああいうことをしやがんだから本当に。
    どうしたんだい? 
    こっち上がんなよ。おめえが早く帰って来ないからよ、おあしとられちゃったい。
    あらやだ泥棒にかい?
    そうじゃねえよ金坊にだよ。騙し取られちまったんだよ。
    あの子は口が上手いからねぇ。なんてって騙し取られちゃったの?
    なんてってって、この噺聞きたいかい? だったらおめえも10銭出しな。
    先日、行われた演芸大会にて演じたものをアップする。

    久方ぶりに寿限無を人前で披露した。

    出来栄えは聴いてからご確認ください。

    【寿限無】
    無駄に胸を張って歩いてるよねと言われる私です。
    胸を張れるものが何一つないのだから胸ぐらいは張ってもいいじゃない!!
    というわけで、こんばんは。

    月末でもないのにブログを更新するのは本当に本当に心苦しいが、
    本日は、録音した蝦蟇の油をアップする。

    まだまだ納得できるものではないが、途中経過ということで上げる。

    今度披露する場では制限時間が7分程ということで、枕の時間も考えで6分30秒ぐらいには抑えねばならないので、ショートバージョンのものを稽古している最中である。

    蝦蟇の油 ショートバージョン



    続きまして、酔っ払いの部分だけフルでやったものもついでにアップしておく。
    蝦蟇の油の笑わせるポイントは後半部分に集約しているため、フルでやらないと味が出ないのだが、
    前半の口上をこれ以上削ると迫力がなくなってしまうため、上のような中途半端なものとなっている。
    もう少し改良したいところである。

    蝦蟇の油 酔っ払い部分 フル



    そして最後に、これは別にアップする必要がないのだけども、要望があったため仕方がなく上げることにする。
    なにかと申しますと、蝦蟇の油の酔っ払いの部分を演じるに当たり、自身が心底酔っ払う必要があったため、連日、とあるバーに行っては結構なお酒の量を飲んでおりました。その中でも一番酔っ払ったときに録音したものがありまして、ええ。それを上げます。酔っ払いが酔っ払いを演じるという中々にどうして奇妙な構図となっておりますが、好奇心で聞きたいかたはどうぞ。責任は取りません。

    蝦蟇の油 酔っ払っいバージョン


    蝦蟇の油、
    もっと前半の口上を迫力あるものにしたい。
    もっともっと酔っ払ってしくじる描写を上手く演じたい。
    そんな・・・人生だった・・・。