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    夏なので、怖い噺を一つ。



    これは……私が小学生の頃の噺です……

    気が狂いそうな暑い日が続いており、
    気分転換をしようと休みの日に家族で海へと向かうことになりました。

    その当時、兄は釣りに嵌っており、
    海へ向かったのも海釣りをするためでした。

    兄は人気のない岩場に陣取り、すぐに釣りを始めました。
    不器用な私は釣りをすることなく、その様子を横からぼーっと眺めておりました。両親は遠くから私たち兄弟を見守っておりました。

    三時間ほど時間が経ったでしょうか。

    黄昏刻となり世界が真っ赤に染まっておりました。

    釣れた魚はどれも小さく満足のいくものではありませんでした。

    せっかく釣った魚を海に戻すは勿体なく感じたので、私は兄の了承を得て岩場の水溜りに魚を集めておりました。

    「暗くなる前に帰るぞ」と父が私たちに声を掛けてきたので、直ぐに片付けをして岩場から離れました。

    その時でした……

    どこからやってきたのか三人組の男たちが私たち兄弟が先ほどまでいた岩場にやってきて、声高く叫んでおりました。

    「うおおおおぉ!! めっちゃ魚おるやん!!!」

    その魚というのは兄が釣り、私が水溜りに放流した魚に違いありません。

    私たちの魚ではありますが、特に未練もなく私たちはその場を去りました。

    「これ喰えるよな…… 帰ってから喰おうや……」

    そんな声が遠くから聴こえたような気がします。

    すぐに車に乗って帰宅したので、それからその三人組がどのようになったのかは分かりません。



    ですが……



    兄の釣った魚は……河豚しか……いなかったんですよね……



    無知って怖い……
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